
野澤哲夫(のざわ てつお)
日本で15年間SEとして働き、2001年ニュージーランド初渡航。2005年に現会社を立ち上げ今に至る。
私は、1980年代に日本を代表するコンピューターメーカーに就職しSEとして働いてきました。当時は、コンピューター会社であるにも関わらず、自分の机どころか、フロアにはコンピュータは無く、「コンピューター室」に行かないとプログラミングができない時代でした。大掛かりな汎用コンピューターを使うためには、1キロくらい離れたところにあるラボに、磁気テープを持ち込んで処理してもらって、打ち出された大量のリストををダンボールに詰めて持って帰りデバッグ。修正はコンピューター室で行い、再び磁気テープへ。そしてラボに持ち込みという、今では数秒でできる処理を、1日かけてやってました。気の遠くなる作業です。
パソコン通信がようやく開始された時期でありましたが、チャットのレベル。他都府県のお客様にシステム上のトラブルがあると、8インチディスクを営業が携えて、車で向かってインストールしていた時代です。インターネットという言葉はありましたが、システム基盤も整っていない時代ではとても業務に利用するというのは不可能な時代で、遠隔地操作と言えばクラサバシステムで専用線でつないでました(余談ですが、私が就職した会社では独自OSを使っての開発を行っていたため、MS-DOSさえ「これはソフト?」という発言がでるくらい解らない時代でした)。
それが1994年、マイクロソフト社が以前のWindows 3.1から変わるWindows 95をリリースし、インターネットを家庭で気軽に使えるものに変えていき、また通信の土台もADSLが普及しはじめて、多くの人がインターネットを気軽に扱えるような時代に入りました。私がニュージーランドに渡航した2001年はそのような時代でした。
しかしながら、私がニュージーランドで見た光景は、まだまだというより、全然インターネットを使いこなせていない状態で、例えば就職先(アルバイト先)や、住むところなどを探すためには、点在していた日本人経営の情報センターなどに出向いて、そこに貼ってあるチラシを一生懸命メモに書いて。。。という時代でした。情報は全てインターネットから検索というのが当然だと思っていたのに、ショックを受けたことを覚えています。
ニュージーランドの情報を蓄積し、「インターネットで最新の情報をみることができる」ことができる仕組みを提供することができれば、いつ貼られたかわからないチラシに頼ることなく、もっとスピーディにいろんなことができ、もっと豊かなニュージーランド生活を送ることができるのではないかと思い至ったのです。
当時、ニュージーランド掲示板というのがインターネット上に存在していましたので、それを立ち上げた会社から掲示板機能を買い取り、「NZ大好きドットコム」として世の中に提供しました。
インターネットの特性を十分に活かして、最新の情報を皆様にお伝えしていく。それこそが我社の使命と捉えて、今後もニュージーランドで生活している全ての日本人に、役立つ情報をタイムリーに提供していきたいと思います。
2019年、感染症ウィルスの出現で人類は過去経験したことのない危機に対応しようとしています。我社も相当なダメージを受けました。それを乗り切ろうとしているのは、ご利用されている皆様のお陰です。そして、陰日向となり支えてくれているサポート企業様とスタッフ全員に感謝しています。まだまだインターネットを使ってやれることは無限にあると信じています。皆様がこの技術を使ってニュージーランドで楽しい生活を送れるように、お手伝いしたいと思います。今後もよろしくお願いいたします。
2022年1月 野澤 哲夫
